先日なんとなく私の部屋の本棚を見ていて、
これどんな内容だったけ?と手に取ったのが、
佐野洋子さんの評判になった母親を語るエッセイである。
ぼんやりとも内容が思い出せない。
本当に読んだのだろうか?
睡眠薬代わりに読んでみることにした。
睡眠薬にはならなかった。
引き込まれ過ぎて一晩で読み切ってしまった。
読後もしばらく凄いインパクトが残った。
母との確執がある人は多いだろう。
私も少なからずある。いや大いに?
既に母を見送っているが、未だに母を思うと、
娘としての悔恨と同姓としての反発のせめぎ合いに苦しむ。
だが、佐野洋子のそれはもっと強烈でもっと俯瞰している。
この本は2008年初刷、私が母を亡くしたのは2000年。
まだ母への親不孝を言い訳してた頃だったのだろうか?
このころの自分の不感症が恥ずかしくなる。
一時期本は電子書籍がかさばらなくていいと思ったが、
すぐネットに繋がる端末で本を読もうとすると
本を読む前にメール確認してしまったり、
ちょっと中だるみになった時、
ヤフーニュースを覗いてみたりで、
そのままSNSの誘惑にまんまと
引き込まれてしまうことが多々あった。
それで私の場合、
本を読むには紙が良いに落ち着いた最近だった。
そして、いつか読み返そうと残しておいた本の数々は、
そうは思っててもまず読み返すことはないだろう、
なのでいつかそれもできるだけ早く処分して、
すっきりしなくてはと断捨離の呪縛にかかっていた。
でも、シズコさんのような再会がある。
時々、SNSを断ち切って
今ある本を読み返すのも悪くない。
「シズコさん」は、
本は紙、本は断捨離しない(急ぐことはない)を
再確認させてくれた一冊の本だった。
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